アロハ・フロム・ハワイ

1973年1月14日、ホノルルのホノルル国際センターで開催されたチャリティーコンサート。当時報道のみに使用されていた宇宙衛星を使って世界36か国に同時生中継され、15億人が見たと言われる史上初の前人未到のイヴェントだった。ショーは日本のゴールデンタイムに合わせて現地の0時30分に始まった。日本での視聴率は37.8%という驚異的な数字だった。
本国米国ではスーパー・ボール、映画「エルヴィス・オン・ツアー」との競合を避けるために4月に放映された。レコードはRCAがすぐさま録音テープを世界中に空輸し、数週間後にライブ・アルバムが世界同時発売された。

コンサートではロックンロールや自分のヒット曲は軽くながし、歌い上げるバラードがメインだった。エルヴィスは当時、プリシラとの離婚調停中であり、その悲しみと傷つけられたプライドが、「You Gave Me A Mountain」や「It's Over」、「I'm So Lonesome I Could Cry」などに表れている。
オリジナルのアルバムの音質はあまりよくなかったが、現在はリミックスされ改善されたCDが発売されている。現在ではDVDで映像と共に発売され、リハーサル・ショーがセットになったものもある。
このステージでは、かつての復活劇を成し遂げた当時のような身体の動きは見られないが、洗練され完成したショーを堪能できる。
この夢のような巨大イヴェントの成功から、次の大掛かりなショーや世界ツアーのアイディアはあったようだが、実現することはなかった。