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いろいろ

エルヴィス・プレスリー ジャングル・ルーム・セッション

2021年12月12日

テネシー州メンフィスにあるエルヴィスの自宅グレースランドには、ハワイをイメージしてポリネシア風の家具が配置されたジャングル・ルームと呼ばれる居間があった。
1976年2月と8月に、ジャングル・ルームを改装して行われたレコーディングは「ジャングル・ルーム・セッション」と呼ばれている。16曲がレコーディングされ、結果的にエルヴィス最後のスタジオ録音となった。

グレースランド

Graceland Memphis Tennessee

(ウィキペディアより)

Elvis : Way Down In The Jungle Room(YouTube)
ジャングル・ルーム内部の様子に加え、改装時の模様を記録したビデオや関係者のインタビューが見られます。

1975年3月にハリウッドのRCAスタジオでレコーディングしたアルバム「エルヴィス・トゥデイ」を発売した以降、エルヴィスはスタジオ入りする気配を見せていなかった。何しろ、1975年は1月に体調不良のため入院、3月にラスベガス公演、4月、5月、7月にはコンサート・ツアー、8月にラスベガス公演、その途中で再度入院し、そのキャンセル分を12月に公演、と体調が悪い中、計127公演をこなしている。

1976年になって、エルヴィス次第でいつでもレコーディングできるように、RCAの録音機材をグレースランドの居間に持ち込み録音スタジオが創設された。実際にはバックバンドの主要な二人、ジェームズ・バートンとグレン・ハーデンの時間的制約もあり、2月2日~7日に12曲がレコーディングされている。そのうちの10曲がアルバム「メンフィスより愛をこめて」として1976年5月に発売された。

さらに同年10月に4曲がレコーディングされたが、その後は全くレコーディングがすすまなかった。結局、ジャングル・ルームでレコーディングされ未発売の6曲に、過去のライヴ録音4曲を加えてアルバム「ムーディ・ブルー」が1977年7月に発売され、エルヴィス最後のアルバムとなった。

このころのエルヴィスは、心身ともに問題を抱えており、朝から準備しているバンド・メンバーを夜中まで待たせていたり、集中力がなかったりで、レコーディングはなかなか進まなかったようだ。しかし、レコーディングされた曲はどれもすばらしく、特にアウトテイクで聞くオーヴァーダブのないエルヴィスの歌声は心にしみるものがある。晩年の哀愁を漂わせるようなエルヴィスの声には「何か」を感じさせるものがあり、ファンの中でも好きな人が多い。

このジャングル・ルーム・セッションの曲群は、2000年にFTDレーベルよりCD「ジャングル・ルーム・セッション」として発売された。このCDでは、エコー、ディレイ、オーケストラなどのオーヴァーダブがない状態で、録音された順に曲が収録された。エルヴィスは最後まで一発録りと呼ばれるスタジオ・ライヴのようなレコーディングにこだわっており、この音源では曲以外の会話部分や失敗したテイクも収められているため、あたかもスタジオ内にいるような気にさせられる。

2016年には、2枚組CD「ウェイ・ダウン・イン・ザ・ジャングル・ルーム」が発売された。Disc 1には「メンフィスより愛をこめて」と「ムーディ・ブルー」に収録された正式バージョン。Dic 2にはFTDレーベルの「ジャングル・ルーム・セッション」と同様にオーヴァーダブなしのアウトテイクとなっているが、半分は別テイクが収められている。

 

ジャングル・ルームでレコーディングされた16曲(レコーディング順)

1976年2月2日

夜中にエルヴィスが2階のベッド・ルームから降りてきてレコーディングが始まったとのこと。正式なスタジオではないため、1曲目の「つらい涙」のレコーディングを始めたものの、電話の音や犬の鳴き声で何度も中断しているのがアウトテイクには収められている。

1.つらい涙 Bitter They Are, Harder They Fall

2.何でもないのに She Thinks I Still Care

3.ラスト・フェアウェル The Last Farewell

1976年2月3日

4.ソリティア Solitaire

1976年2月4日

5.最後の恋 I'll Never Fall In Love Again

6.ムーディ・ブルー Moody Blue

2月5日

7.フォー・ザ・ハート For The Heart

8.心の痛手 Hurt

9.ダニー・ボーイ Danny Boy

2月6日

10.ネヴァー・アゲイン Never Again

11.ラヴ・カミング・ダウン Love Coming Down

2月7日

12.雨の別離 Blue Eyes Crying In The Rain

10月29日

2月のセッションから8か月が経過し、再度レコーディングが試みられたが、エルヴィスは1曲ごとに部屋に戻るといった状態で、初日になんとか3曲レコーディングしている。

13.イッツ・イージー・フォー・ユー It's Easy For You

14.ウェイ・ダウン Way Down

15.プレッジング・マイ・ラヴ Pledging My Love

10月31日

エルヴィスは、この日1曲レコーディングした後は全くその気がなく、セッションは終了となった。結果的にこの「浮気はやめなよ」が最後のスタジオ録音となった。

16.浮気はやめなよ He'll Have To Go

* Fire Down Below(インストルメンタル)

エルヴィスのライヴでベースを弾いていたジェリー・シェフが、エルヴィスのために作曲し10月のセッションで何とかエルヴィスに歌わせようとしたがかなわなかった1曲。FTDレーベルの「ジャングル・ルーム・セッション」で聴くことができる。

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